標準貨物自動車運送約款(平成2年国土交通省告示第575号)

※最終改正平成26年国土交通省告示第49号

第二章  運送業務


第四節  貨物の受取及び引渡し

(受取及び引渡しの場所)
第十八条

当店は、運送状に記載され、又は明告された集荷先又は発送地において荷送人又は荷送人の指定する者から貨物を受取り、運送状に記載され、又は明告された配達先又は到達地において荷受人又は荷受人の指定する者に貨物を引渡します。

(管理者等に対する引渡し)
第十九条

当店は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に掲げる者に対する貨物の引渡しをもって荷受人に対する引渡しとみなします。

  一  荷受人が引渡先に不在の場合には、その引渡先における同居者、従業員又はこれに準ずる者

  二  船舶、寄宿舎、旅館等が引渡先の場合には、その管理者又はこれに準ずる者

(留置権の行使)
第二十条

当店は、貨物に関し受け取るべき運賃、料金等又は品代金等の支払を受けなければ、当該貨物の引渡しをしません。

2  商人である荷送人が、その営業のために当店と締結した運送契約について、運賃、料金等を所定期日までに支払わなかったときは、当店は、その支払を受けなければ、当該荷送人との運送契約によって当店が占有する荷送人所有の貨物の引渡しをしないことがあります。

(貨物引換証の受戻証券性)
第二十一条

当店は、貨物引換証を発行したときは、これと引換えでなければ、貨物の引渡しをしません。

2  貨物引換証の所持人が貨物引換証を喪失したときは、その者が公示催告の申立てをし、かつ、その貨物引換証の正当な権利者であることを示して相当の担保を提供した後でなければ、当店は当該貨物の引渡しをしません。

3  前項の担保は、除権判決の確定後、これを返還します。

(指図の催告)
第二十二条

当店は、荷受人を確知することができない場合は、遅滞なく、荷送人に対し、相当の期間を定め貨物の処分につき指図すべきことを催告することがあります。

2  当店は、次の場合には、遅滞なく、荷受人に対し、相当の期間を定め、その貨物の受取を催告し、その期間経過の後、さらに、荷送人に対し、前項に規定する指図と同じ内容の催告をすることがあります。

  一  貨物の引渡しについて争いがあるとき。

  二  荷受人が、貨物の受取を怠り、若しくは拒み、又はその他の理由にによりこれを受け取ることができないとき。

(引渡不能の貨物の寄託)
第二十三条

当店は、荷受人を確知することができない場合又は前条第二項各号に掲げる場合には、荷受人の費用をもって、その貨物を倉庫営業者に寄託することがあります。

2  当店は、前項の規定により貨物の寄託をしたときは、遅滞なく、その旨を荷送人又は荷受人に対して通知します。

3  当店は、第一項の規定により貨物を寄託した場合において、倉庫証券を作らせたときは、その証券の交付をもって貨物の引渡しに代えることがあります。

4  当店は、第一項の規定により寄託をした貨物の引渡しの請求があった場合において、当該貨物について倉庫証券を作らせたときは、運賃、料金等及び寄託に要した費用の弁済を受けるまで、当該倉庫証券を留置することがあります。

(引渡不能の貨物の供託)
第二十四条

当店は、荷受人を確知することができない場合又は第二十二条第二項各号に掲げる場合には、その貨物を供託することがあります。

2  当店は、前項の規定により貨物の供託をしたときは、遅滞なく、その旨を荷送人又は荷受人に対して通知します。

(引渡不能の貨物の競売)
第二十五条

当店は、第二十二条の規定により荷送人に対して指図すべきことを求めた場合において、荷送人が指図をしないときは、その貨物を競売することがあります。

2  当店は、前項の規定により貨物の競売をしたときは、遅滞なく、その旨を荷送人又は荷受人に対して通知します。

3  当店は、第一項の規定により競売をしたときは、その代価の全部又は一部を運賃、料金等並びに指図の請求及び競売に要した費用に充当し、不足があるときは、荷送人にその支払を請求し、余剰があるときは、これを荷送人に交付し、又は供託します。

(引渡不能の貨物の任意売却)
第二十六条

当店は、荷受人を確知することができない場合又は第二十二条第二項各号に掲げる場合において、その貨物が腐敗又は変質しやすいものであって、第二十二条の手続をとるいとまがないときは、その手続によらず、公正な第三者を立ち会わせて、これを売却することがあります。

2  前項の規定による売却には、前条第二項及び第三項の規定を準用します。